宇宙航空研究開発機構は、11日午後1時35分、鹿児島県南種子町の種子島宇宙センターから、北朝鮮の軍事施設などを監視する3基目の情報収集衛星(光学衛星)を、H2Aロケット10号機で打ち上げた。衛星は予定の軌道に投入された。
H2Aは4回連続の打ち上げ成功。10機目で世界の主要ロケットと肩を並べる90%の成功率を達成した。
H2Aは打ち上げ約17分後に衛星を分離。衛星は太陽電池パネルを展開した。
衛星を運用する内閣衛星情報センターは、今後、衛星の性能を確認し、今年度内に本格運用を始める。
衛星は、高度400〜600キロ・メートルの極軌道を周回し、高性能のデジタルカメラと望遠レンズで、地上を監視する。地上の長さ1メートルの物体を識別する能力があり、北朝鮮の軍事施設や日本周辺の自然災害状況の観測を行う。
現在稼働中の情報収集衛星は、2003年3月に打ち上げられた今回の同型機と、電波の反射波で地上を昼夜なく把握する「レーダー衛星」の2基。内閣衛星情報センターは、年明けには2基目のレーダー衛星を打ち上げ、今回の光学衛星と合わせた計4基で、地上のあらゆる場所を1日以内に最低1回は監視できる態勢を整える方針だ。
同機構などによると、H2A10号機の製造・打ち上げ費用は96億円、衛星開発費は290億円で、今回の打ち上げでかかった総額は計約390億円。
小坂文部科学相は打ち上げ成功について、「これまでの信頼性向上のための取り組みが着実に成果を上げている」との談話を発表した。(2006年9月11日読売新聞)
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うれしいです。税金の無駄遣いをせず、もう一度の手間も無く、国民と関係技術者との信頼も増す。ありがとう。