かいふう

近未来への展望や、如何に。

{排出ガス}はどこへ。番外編.その1

ロサンゼルス=古沢由紀子】米カリフォルニア州のロッキャー司法長官は20日、自動車が排出する温室効果ガスが地球温暖化の主因になり、州民に多大な「被害」を与えているとして、日米の大手自動車メーカー6社に損害賠償を求める訴訟を同州の連邦地裁に起こした。

地球温暖化の法的責任を自動車メーカーに問う初のケースと見られる。

訴えられたのは、ゼネラル・モーターズ(GM)、フォード・モータークライスラーの米ビッグスリーと、トヨタ、ホンダ、日産自動車の各米国法人。

訴状のなかで同州は、自動車が排出する二酸化炭素などの温室効果ガスが地球温暖化に与える影響について、メーカーの責任を明確にすべきだと主張。温暖化が州の環境にもたらす被害のほか、州が行う調査や洪水対策にかかる費用などを各社が賠償するよう求めた。請求額は明示されていないが、数億ドル(数百億円)規模になると見られている。これに対して、トヨタ、ホンダは「現時点ではコメントできない」としている。

ブッシュ政権は温暖化対策に消極的だが、環境問題に熱心な同州は独自に温室効果ガス削減法を制定。これに日米の自動車メーカーが反発、差し止めを求める訴訟を起こしている。こうした対立を背景に、今回の訴訟は州が業界側に圧力をかける目的との見方が強い。(2006年9月21日読売新聞)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
なつかしのアメリカンポップスか、カントリー・ウェスタンかもう判別できないが、「カリフォルニアの青い空」♪という歌がある。南北に気候もよく、「想い出のサンフランシスコ」♪、ロサンジェルスもある。両都市とも、前世紀からの大地震に見舞われ、日本列島とも「環太平洋地震帯」で被災体験を共有し、実際学会など交流も盛んである。
カリフォルニア州には日本国がすっぽり入ってしまうほどの面積がある。それが合衆国の一州だもんね。いつも、その国とこの国を比較する基準が、自分にはその発想なのだ。大洋を挟んで類似点と、そうでないもの。
昔々、図図しくも顔出した某教会の、その国からの若い長老の宣教師のひとり、彼の口から「エグゾーストガス」と本場の発音で聞いたことがあった。異邦人が直訳すると、{排出されたガス}で、動詞の現在完了にして受身の形である。自動車を運転するのも人ならば、その走り去る機械、それからの排ガス、それを歩道にしろ、吸わされる人がいる訳だ。
今回の初の、同州司法長官からの訴訟は、主として、二酸化炭素などの温室効果ガス、というからにはゴホンゴホンの咳き込む歩行者や大気汚染の問題ではない。州政府が、国籍を問わず、走るメーカーにターゲットを向けた。自動車なくては世も日も明けない、「新世界」♪のお国柄。環境問題に熱心な同州は独自に温室効果ガス削減法を制定。この法案通過には、かの「ターミネーター」の『アイル ビー バック』の、シュワルツェネッガー州知事もすでにいたとおもうが、この州は地震そして乾燥による山火事と、災害多発地帯でもある。彼と長官がどのような協議をしたか知る由も無いが、無関係ともおもえない。
国益ならぬ州益を、国境をまたいだ複数自動車企業法人に、連邦地裁へ、ということです。
地政学ならぬ地質学でサンアンドレアス断層とロッキー山脈を越えて、遠く東海岸に届くまでには、温室効果は雨散霧消する。それでそれらに仕切られた同州のみ、が提訴できる、と踏んだ。アクセルは踏まず。