かいふう

近未来への展望や、如何に。

日米地位協定に基づく民事特別法による。

神奈川県横須賀市で1月、パート社員佐藤好重(よしえ)さん(当時56歳)が米空母「キティホーク」乗組員に殺された強盗殺人事件を巡り、遺族らが、日本政府と乗組員に慰謝料など計約2億2600万円の支払いを求める損害賠償請求訴訟を横浜地裁に起こすことが12日、わかった。米軍基地の多い同県では、米兵による事件も多く、遺族側は「米兵個人の責任を問うだけでは悲劇はなくならない」として、日米政府の責任を問うことにした。

乗組員は、元1等航空兵ウィリアム・リース服役囚(22)で1月3日、横須賀市米が浜通で佐藤さんを殺害して現金1万5000円を奪い、無期懲役が確定した。

訴状によると、今回の事件を含めて前後1か月間に同空母関係者による暴行などの事件が4件発生しており、多くが今回同様、飲酒後に起きた。遺族側は、米軍が監督を怠っていたとしている。日米地位協定に基づく民事特別法は、米軍や米兵が公務中の違法行為で他人に損害を与えた場合、米軍に代わって日本政府が賠償すると定めている。遺族側は「米軍は米兵を監督する公務上の責任があった」とし、同法に基づき日本政府を訴えることで、米政府の責任も問う考え。

米兵による殺人事件を巡る損害賠償請求訴訟では、那覇地裁が1997年、米兵に7800万円余の支払いを命じ、支払い能力がないことから遺族の求めで日米政府が分担して払った。(2006年10月13日読売新聞)