かいふう

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北朝鮮制裁決議が全会一致で採択。そしてイラン。

テヘラン=工藤武人】国連安全保障理事会による北朝鮮制裁決議の採択は、核問題をめぐり安保理での制裁論議を控えているイランに大きな衝撃を与えている。

北朝鮮制裁決議が、核実験実施発表からわずか1週間足らずで、全会一致で採択されたからだ。イランは、北朝鮮核実験をめぐる国際社会、特に制裁に反対してきた中露の対応に強い関心を寄せてきた。イランにとっては、中露の出方が自国の核問題をめぐる安保理での制裁論議の「行方を占う」(テヘランの外交筋)と見ていた。イラン国営テレビによると、外務省報道官は決議採択前の14日、「イランは制裁の脅しにひるむことなく、平和的な核エネルギー製造に向けた道を歩み続ける」と述べ、核開発を継続する姿勢を改めて強調しており、基本的な立場に変化はないとみられる。だが、今回の決議採択により、イラン指導部内で、制裁発動が国際社会での孤立を深め、経済に与える影響も無視できないとして制裁回避を最優先すべきとの声が強まることも考えられる。(2006年10月16日読売新聞)