かいふう

近未来への展望や、如何に。

「中越大震災復興基金」の事業。地方自治体の施策.その15

kaihuuinternet2006-10-23

新潟県中越地震の発生から23日で2年になるのを前に、仮設住宅で暮らす高齢者の住宅再建支援策として、新潟県は、再建する住宅や土地を担保に住宅再建資金を貸し付け、死亡後に住宅などを売却して借金を返済する「緊急不動産活用型融資制度(リバースモーゲージ)」を被災者に適用することを決めた。

土地などの担保価値が低い中山間地には本来、なじまない制度だが、被災者支援のために創設された「中越大震災復興基金」の事業とすることで可能にした。国の支援制度が住宅そのものの再建・修繕などに適用されない中、国土の7割を占める中山間地の被災高齢者向けの住宅再建支援策としては先駆的な試みとなりそうだ。

対象となるのは、住宅が全壊または半壊して仮設住宅に入居した60歳以上で、配偶者を含めた合計年収が180万円以下の世帯。土地と住宅の資産価値に応じて1200万円を上限に住宅再建資金を融資する。子供の同居は認めず、借受人と配偶者の死後、復興基金が担保の土地や住宅を売って貸付金を回収する。利率は年0・4%。

県は今年2月、リバースモーゲージ基金事業(4億8000万円)として新設し対象者などを検討してきた。5人前後の被災者から問い合わせがあり、うち1人への適用が決まった。

自治体のリバースモーゲージは、東京都武蔵野市が1981年、高齢者の生活費融資制度として導入し、他の自治体に拡大した。(2006年10月23日読売新聞)
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新潟県中越地震で同県長岡市妙見町の土砂崩れ現場から1人だけ奇跡的に救出された同県魚沼市の皆川優太ちゃん(4)が22日、祖父母らとともに、母親の貴子さん(当時39歳)と姉の真優ちゃん(同3歳)が眠る自宅近くの墓を訪れた。

優太ちゃんらは、新潟市内の高校の文化祭に車で出かけ、その帰りに被災した。車は巨岩に押しつぶされ、貴子さんと真優ちゃんは死亡したが、岩のすき間に立っていた優太ちゃんは4日後、無事救出された。

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優太ちゃんは現在、祖父母の元から近くの保育園に通っている。東京消防庁のレスキュー隊員に救出されたことを覚えており、「大きくなったら、レスキュー隊員か『ウルトラマンダイナ』になって人を助けたい」と話しているという。(2006年10月22日読売新聞)
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使える制度は、他の自治体のそれであれ、積極的に採用する姿勢は、行政として当然。
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67人の命を奪った新潟県中越地震は23日、発生から丸2年を迎え、同県長岡市の市立劇場で県と被災7市町主催の合同追悼式が開かれた。

出席した遺族ら約1000人は「あの日」の悲しみを乗り越え、復興に向かう決意を新たにした。

式典は午前10時、黙とうで始まった。遺族らが祭壇に白菊を献花。新潟県泉田裕彦知事は「息の長い復興への取り組みを進めていく」と述べた。

遺族を代表して、長男と妻を亡くした旧山古志村長岡市)の畔上(あぜかみ)守二さん(77)が「この2年間は悲しくもあり、苦しくもあり、様々な気持ちが錯そうする中、時には無力感すら感じたが、亡くなられた方々の分まで力強く歩んでいきたい」と誓った。式典の最後に、長岡市立山古志小学校の児童63人が、震災直後につづった作文をもとに作詞作曲した「ありがとう」を合唱した。

山古志村の141世帯には今も避難指示が継続され、仮設住宅で暮らす人は8市町村で1672世帯、5315人(9月30日現在)に上っている。(2006年10月23日読売新聞)