日本が誇る高速スーパーコンピューターを用い、東京都内で頻発する局地的豪雨など、都市型の気象災害が起きる仕組みの解明を目指すことになった。
スパコン「地球シミュレータ」を擁する海洋研究開発機構(本部・神奈川県横須賀市)と建築研究所(茨城県つくば市)が1日、共同研究協定を締結した。
大都市部では、車や建物からの排熱が原因となるヒートアイランド現象や、高層ビルがもたらすビル風など、特有の気象現象が起きる。こうした現象は、局地的豪雨をもたらす積乱雲の発生など、より広域の異常気象に結びつくと考えられているが、メカニズムはよく分かっていない。
共同研究では、地球規模の気象変動を予測する海洋機構と、都市部での熱の伝わり方や風の通り方などを再現する建築研究所の研究モデルを統合。豪雨や突風など都市部を襲う気象災害の仕組みの解明や、予測技術の開発に取り組む。
気象災害だけでなく、地球規模の温暖化で、東京の熱帯夜が何日増えるかといった、生活実感につながる予測も可能になるという。(2006年11月1日読売新聞)