かいふう

近未来への展望や、如何に。

聴覚障害者向け無料サービス。

kaihuuinternet2006-11-05

聴覚障害者が、携帯電話のテレビ電話を使い、必要なサービスや情報をオペレーターに手話で伝え、オペレーターが代行する無料サービスを、山形市内の企業などが今月から試験的に始めた。

離れた場所にいる人とのコミュニケーションが難しい聴覚障害者が、どこからでも連絡できるのが特徴。厚生労働省によると、携帯電話を活用した聴覚障害者向けサービスは極めて珍しいという。

サービスを始めたのは、聴覚障害者向けテレビ電話の設置などを行う「Loux(ルークス)」(山形市松栄、大西清社長)と、地元起業家などが出資する「NTC企業組合」(同、高橋笑利代表理事)。

聴覚障害者が、携帯電話でNTCの専用回線にかけると、コールセンターにいる手話オペレーターが応答。手話で公共機関や病院への問い合わせや予約、不在時に配達された宅配便への対応などを依頼すると、オペレーターが代行して伝える。

Louxなどでは今年4月から、固定式テレビ電話を山形県内の約30人の障害者宅に設置。聴覚障害者から問い合わせなどが相次ぎ、サービスの需要があると判断して、今月から、どこからでも利用できるテレビ電話機能付き携帯電話を使ったサービスを始めた。

試験運用中は、依頼や問い合わせを個人宅を除き、どこへでも伝えるが、本格運用する来年1月からは、携帯電話の画面に表示する広告を集め、広告を出した会社や団体などに限定して対応する予定。当面の利用時間は午前9時〜午後9時で、いずれは24時間対応できる体制にするという。

両親が聴覚障害者の大西社長は「聴覚障害者の『音と声』となり、外出時にも安心・安全を提供したい」と話す。山形県聴力障害者協会の小野善邦会長は、「外出先でも、すぐ電話できるのがとても便利だ」と歓迎している。(2006年11月5日読売新聞)