【カイロ=長谷川由紀】バグダッドのイラク高等法廷は5日、1982年に同国中部ドゥジャイル村のイスラム教シーア派住民148人を殺害したとして人道に対する罪などに問われた元大統領サダム・フセイン(69)ら8被告に対する判決公判を開き、フセインに対し求刑通り絞首刑による死刑を言い渡した。
元国家元首が同罪で断罪されたのは史上初。イラクは2審制で、1審が死刑判決の場合、自動的に上訴審が開かれる。独裁者フセインは、国民の手で裁かれたが、判決を受けて泥沼化している宗派対立がさらに激化することも懸念される。
このほか、フセインの異父弟で元情報機関トップのバルザン・イブラヒム被告と元革命裁判所長アワド・ハミド・バンダル被告に死刑、元副大統領タハ・ヤシン・ラマダン被告に終身刑、旧支配政党バース党の元幹部3被告にそれぞれ禁固15年を言い渡した。元党員1被告は証拠不十分で無罪とした。
ドゥジャイル事件は82年、同村で起きたフセイン暗殺未遂事件の報復として村民148人が殺害されたもの。2005年10月の初公判から1年余りというスピード判決で、アブドルラフマン裁判長は「フセインは村民の殺害、拷問に関与した」と断じた。フセインは裁判長に対し、「神は偉大なり」「米国と米国の代理人こそ人道の敵だ」などと叫んだ。(2006年11月5日読売新聞)
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異教徒でも独裁者にならない為政者はいる。自称クリスチャンから言わせれば、異教徒だから、その誘惑に負けて、自国民を蔑ろにして、死へと追いやり、自国民からその裁きを受けた、としか返答がみつからない。
誰も、独裁者の系譜を作成する、そんなことなど引き受けないだろう。故にその存在の意味がわかろうというものだ。やはり、否定的に捉えている。