かいふう

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電波監理審議会は「命令は適当」とする答申。

総務相は8日、北朝鮮による拉致問題をNHKのラジオ国際放送で重点的に取り上げるよう命令することについて、電波監理審議会(総務相の諮問機関、羽鳥光俊会長=中央大理工学部教授)に諮問し、電監審は「命令は適当」とする答申を出した。

総務相は週内にも、NHKに正式に命令する考えだ。政府が個別テーマの放送を命令するのは初めてで、放送の自主性や独立性の観点などから今後も議論を呼びそうだ。

電監審終了後に会見した羽鳥会長は「命令は拉致問題解決を最重要課題として政府一体で推進することに伴う措置で、適当だ」などと答申の理由を説明した。

ただ、個別テーマの命令放送には「私自身も、NHKの編集の自由を侵害する疑念があった」と述べ、委員5人の総意として、答申書に「NHKの編集の自由に配慮した制度の運用を行うことが適当」とする意見を付け加えたとしている。

総務相は記者団に対し「ほっとしている。表現の自由報道の自由が大事であることは認識しており、放送の内容に私が踏み込むことはない」と述べた。

一方、NHKは「報道機関として(拉致問題は)国際放送でも自主的に放送してきており、答申でも、NHKの編集の自由が重要との認識が示された」とするコメントを発表した。(2006年11月8日読売新聞)