かいふう

近未来への展望や、如何に。

総務相、NHKに「命令書」を渡す。

kaihuuinternet2006-11-10

総務相は10日、NHKの橋本元一会長を総務省に呼び、北朝鮮による拉致問題をNHK短波ラジオの国際放送で重点的に扱うことを命じる「命令書」を渡した。

命令放送はこれまで、「国の重要な政策」「国際問題に関する政府の見解」など抽象的な項目にとどめており、個別テーマの放送を命令したは今回が初めて。

命令を受けた橋本会長は報道陣に対し、「菅総務相には、これまで通り放送の自由、番組編集権の基本を貫いて今後も放送していくと伝えた」と述べた。

電波監理審議会(総務相の諮問機関、羽鳥光俊会長=中央大理工学部教授)は8日、「編集の自由に配慮した制度の運用を行うこと」とする意見を付け、命令を認める答申を出した。

総務相は10日の閣議後会見で、「民放関係者は(命令放送が民放にも)拡大することに懸念を示しているが、それはあり得ない」と述べた。

ただ、総務省はNHKによる現行のテレビ国際放送とは別に、09年度にも業務を開始する新たなテレビ国際放送計画で、国費のほかにNHKや民放の出資も検討している。この新たなテレビ放送を命令放送の対象に含めるかどうか、今後議論を呼びそうだ。(2006年11月10日読売新聞)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
総務相がNHKに対し、北朝鮮拉致問題短波ラジオの国際放送で重点的に扱うよう命じたことについて、日本新聞協会は10日、「報道・放送の自由を侵す恐れがあり、重大な懸念を表明せざるを得ない」とする白石興二郎編集委員会代表幹事(読売新聞東京本社取締役編集局長)名の談話を発表した。

総務相は、「北朝鮮にいる拉致被害者に大きな勇気と希望を与える」して、NHKへの命令放送を8日の電波監理審議会に諮問、電監審はNHKの編集の自由に配慮した運用を求める意見を付けて答申していた。

これを受けて菅総務相は10日、橋本元一NHK会長に「命令書」を手渡した。NHKへの命令放送で、具体的な個別テーマの放送を命じたのは初めて。

談話の全文は次の通り。

          ◇

菅義偉総務大臣によるNHKへの放送実施命令は、放送法に基づくものとはいえ、報道の自由の観点から看過できない。もとより、拉致被害者を励まし、国際的な理解を深めるなど拉致問題の早期解決に国際放送が果たす役割は重要である。

しかし、今回の「命令」が従来の枠を超えて具体的に放送内容を指示している点は、報道・放送の自由を侵す恐れがあり、重大な懸念を表明せざるを得ない。政府には、報道機関に対する介入を繰り返さないよう自制を求めるとともに、「命令放送」のあり方を見直すよう求める。(2006年11月10日読売新聞)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
{命令}という言葉の響きでしょう。
しかし、民間の、商業ベースのスポンサーのご機嫌伺い無用の、しかも国際短波ラジオに限定のことでしょうに。少なくも現在は。しかも更にその現在でさえ、20年も30年も、異国に拉致されし被害者たちからすれば、その放送すら無かった訳でしょうに。
確かに、報道の自由という憲法に規定は、放送法より根幹でしょうよ。しかし、拉致被害者救出の一刻を争う時に、ならば国語学者の権威ある方探して、{命令}に替わる新語でも提供してくださいな、と言いたい。