最大の食品公害とされる「カネミ油症事件」に絡み、女性被害者の孫の「へその緒」に、被害の原因となったダイオキシン類が通常より高濃度で含まれていることが、宮田秀明・摂南大教授(環境科学)らの研究で確認された。
カネミ油症を巡っては、胎内で影響を受けたとみられる3人が既に被害者認定を受けているが、今回の研究は、被害者の子供にとどまらず、孫の世代にまで影響が及んでいることをうかがわせる結果となった。12日に東京都内で開かれる環境ホルモン学会で発表される。
研究は、母親の胎盤を通じて胎児がダイオキシン類にさらされる被害の世代間連鎖を裏付けるため、宮田教授とカネミ油症被害者支援センターによって行われた。女性被害者5人(うち認定被害者1人)の子供9人、孫2人にへその緒を提供してもらい、ダイオキシン類の濃度を測定した。
孫2人は、1995年と2000年生まれのきょうだいで、濃度は乾燥したへその緒1グラム当たり220ピコ・グラム(ピコは1兆分の1)と130ピコ・グラム。同年代の人の平均とされる85ピコ・グラムと比べて高濃度だった。家族によると、2人とも病弱という。子供9人については、350ピコ・グラムから1万1000ピコ・グラムと幅があった。
孫2人の濃度について、宮田教授は「通常の値に、油症の影響が上乗せされた数値ではないか」と分析。「より多くの人のへその緒と、自覚症状を調べ、一般の人と比較することで、ダイオキシン類の影響がより明確になる」としている。
68年に発覚したカネミ油症は、カネミ倉庫製の米ぬか油に混入したポリ塩化ビフェニール(PCB)に含まれるダイオキシン類により引き起こされた。黒いニキビや全身の倦怠(けんたい)感など症状は様々で、これまでに1892人が被害者として都道府県に認定され、カネミ倉庫から医療費の自己負担分が支給されている。被害者の孫が認定されたケースはない。(2006年11月10日読売新聞)
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もう、何時の頃か、それさえ忘れました。ある大都市の地下鉄の車内でした。通勤(痛勤という表現もある)で満員、吊り革なしで立ちの方、その顔を見たら、黒いニキビというか、顔面に凹凸がかなりの吹き出物が多い。医学にも化学にも疎いから、でもおもい浮かんだのが、カネミ油症でした。
はたしてその方がそうなのか、わかりません。逆に、それだけの被害だろうイメージが自分の中に作られていた訳です。酒や薬や刺激物の取り過ぎ、それの混合で出たなら本人も承知ですが、カネミ油症の被害者なら、話が違いますから。