テレビやパソコンに使われている液晶ディスプレーの販売価格を巡り、日本や韓国、台湾の主要メーカーが国際カルテルを結んでいた独占禁止法違反(不当な取引制限)などの疑いがあるとして、日本と韓国の公正取引委員会が調べていることが分かった。
また、米司法省はメーカー各社に召喚状を送付、欧州連合(EU)の欧州委員会もメーカーに情報提供を求めるなど、各国の関係当局が一斉に調査に乗り出した。
関係者によると、調査対象となっているのは、2か国・1地域の10社前後。国内では、業界大手のシャープ(大阪市)やセイコーエプソン(長野県諏訪市)、東芝松下ディスプレイテクノロジー(東京都港区)、NEC液晶テクノロジー(川崎市)など。国外では、国際的に最大級のシェア(占有率)を持つ韓国のサムスン電子やLGフィリップスLCD、台湾の友達光電や奇美電子などが含まれる。
各社は、TFT(薄膜トランジスター)方式などの液晶ディスプレーの販売価格低落を防ぐため、連絡を取り合ってカルテルを結んだ疑いがあるという。日本の公取委は、各社に液晶ディスプレーの販売状況などを求める報告命令書を送り、実態把握を進めている。
液晶ディスプレーは高画質化が進み、携帯電話やデジタルカメラなどの小型画面から大型液晶テレビまで需要が広がっているが、主力の液晶テレビは競争が激化。背景には、韓国や台湾メーカーの低価格攻勢があるといい、モデルによっては価格が前年比3割下落するなど、各社の収益が圧迫されている。
シャープによると、米国子会社に現地時間の8日、液晶ディスプレー関連の調査で米司法省から召喚状が届いた。だが、同社は「大幅な価格下落が続いており、カルテルが行われる状況とは異なる」としている。
また、セイコーエプソンでは「日本の公取委から報告を求める文書が11日に郵送されたのは事実」と認めた上で、子会社が米司法省から召喚状を受けたという。一方、LGフィリップスLCDによると、8日、ソウルの本社や日米の現地法人などが調査を受けたという。
【ワシントン=矢田俊彦】米司法省のジーナ・タラモーナ広報副部長は、読売新聞の取材に「企業名は言えないが、液晶ディスプレーの独禁法違反に関し、他国の関係当局と協力している」と調査の事実を認めた。(2006年12月13日読売新聞)
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{ブラウン管}で育った世代からみると、ちょっとピントが合わせにくい。