NHKTV教育「こころの時代〜宗教・人生「打たれた傷によって」」
放送日 :2007年 1月14日(日)
放送時間 :午後2:00〜午後3:00(60分)
安城教会牧師の武岡洋治氏の、自分史というべき内容である。若い時、導かれて洗礼を受けし、その教会でよもや牧師職に預かろうとは、当の本人が述懐するのだから、信仰告白であろう。
端的に言えば、薬害。赴任するアフリカに、幾つも受け取った薬のひとつ、マラリアの薬。それを出国時予防薬として口にし、アレルギー症状で急激に悪化、生死の境を彷徨った。そして知る、それはその当時でも受け入れ先でさえ使用不可になっていた、しかも治療薬であった。この幾重もの誤謬。劇症の全身の皮膚のただれ、そして失明。自筆のメモ書きでさえ、不気味さと恐怖が伝わって来る。
看護してくれる人にイエスのイメージを重ね、労をねぎらう。
自分でさえ、責任の所在、を追求するだろう。
自分が引き込まれたのは、彼のように信心厚い人で、しかもこの件に関しては明らかに、本人の過失がほとんど問われなくともよいのに、死の淵から生還回復して、なおそれからの信仰とともにある生活であろう。『当事者の役割』という表現をされた。さらに加えれば、その前に、{被害に遭っての}とか形容されるそれが付く。実際付けて話されたが、健忘は自分の老いである。ご容赦願う。
彼が現地で病状が良好に向かう過程で、栄養失調から失明した児童たちに会う。彼らと仲良くなる。
現在も、片目は見えず、もうひとつは角膜移植で光を得た。聖書を読む手には拡大鏡がある。教会の窓を開け放ち、新たな空気を満たし、教会員を迎える。
本当はこれは、とても重たい深い体験で、自分など及ばない。しかし、それをいとも簡単に話してしまう。聞いて、<聖句>を思い浮かべてしまう。アーメン