自動車の排ガスで健康被害を受けたとして、東京都内のぜんそく患者らが国や都、自動車メーカー7社などに損害賠償を求めている東京大気汚染訴訟について、若林環境相は2日の閣議後記者会見で、「いたずらに訴訟を長引かせるのは良くない。解決点を探るべく原告との話し合いを進める」と述べ、和解への糸口を探る考えを示した。
和解協議については消極的な立場をとり続けてきた国が大きな方針転換を図ったもので、訴訟は和解に向けて大きく前進することになる。
環境省は、自動車の排ガス規制などを目的としたNOx・PM法を強化するなど、公害防止対策を提案していくと見られる。
ただ、若林環境相は「今までの立場は変えない」として、国としては医療費負担には応じない姿勢を改めて示した。(2007年2月2日読売新聞)