環境省のプロジェクトチームは15日、積極的に省エネ技術を導入することで2050年までに国内の二酸化炭素(CO2)排出量を70%削減することが可能だとする報告書をまとめた。
削減に必要な省エネ技術への投資総額は年間10兆円弱で、既存技術を使う場合よりも年間7千億〜1兆8千億円の上乗せ投資が必要としている。
報告書では、次々に革新的な技術を導入する技術重視型社会、省エネ技術を導入する自然志向型社会の2通りのシナリオを設け、燃料電池やバイオマス火力発電など、近い将来に実現可能な省エネ技術を導入した場合の2050年のCO2排出量を試算した。
この結果、人口減少によるコンパクトな街づくりや、電気自動車、水素燃料自動車の普及などで運輸旅客に関する排出が80%削減できるとしているほか、省エネ住宅の普及で家庭からの排出を50%減らせると試算。こうした積み重ねと、発電自体の省エネ化、効率化を図ることで、どちらのシナリオでもCO2排出量を70%減らすことは可能と結論づけた。
現在の国内の二酸化炭素排出量は、13億6400万トン(05年度)で、温暖化防止の京都議定書で定めた「1990年排出量のマイナス6%」という目標を15%近く上回っている。(2007年2月16日読売新聞)