かいふう

近未来への展望や、如何に。

政府間代理処罰で、逃亡犯を起訴。

静岡県浜松市で2005年11月、レストラン経営者三上要さん(当時57歳)が殺害され、現金が奪われた事件で、日本政府が代理処罰を求めていた日系ブラジル人、アルバレンガ・ウンベルト・ジョゼ・ハジメ容疑者(35)がブラジルの検察当局に起訴されたのを受け、三上さんの妻利江子さん(52)と二女知里さん(23)が17日、浜松市で記者会見した。

2人は「私たちの家族の思いがやっとかなった。一歩前進したという思いだ」と心境を語った。

事件発生からの1年3か月について、利江子さんは「夫は一家の大黒柱だった。本当につらく、悲しく、苦しく、不安な生活だった」と振り返った。

日本とブラジルの間には犯罪人の引き渡しに関する条約がなく、日本政府がブラジル政府に代理処罰を求めていた。代理処罰について、利江子さんは「思っていたより早い段階で起訴してもらった。ただ、裁判で遺族の思いがどの程度伝わるのかは不安を感じる」と述べた。

アルバレンガ容疑者には「どうしてこんなことになってしまったのかと問いつめたい。私たち家族は、『なぜ』という思いを引きずっている。裁判ではありのまま、真実を語ってほしい」と訴えた。

知里さんは「父にとっても、家族にとっても納得のいくような処罰を願っている」と話した。

容疑者起訴の連絡は午前6時半ごろ、外務省の担当者から電話で自宅にあり、利江子さんは、「犯人が起訴された」と三上さんの仏壇に報告したという。

溝手国家公安委員長は「『逃げ得は許さない』という社会正義実現の観点から極めて意義がある。真摯(しんし)に対応していただいたブラジル当局に感謝する」などのコメントを出した。

          ◇

事件は2005年11月21日の深夜から翌日未明にかけて発生。浜松市竜禅寺町のレストラン「エピナール」で、経営者の三上さんが首を絞められて殺害され、売上金約4万1200円が奪われた。

浜松中央署捜査本部は、現場に残された指紋が一致したことや、防犯カメラの映像などから、アルバレンガ容疑者の犯行との見方を強め、強盗殺人容疑で逮捕状を取った。

しかし、アルバレンガ容疑者は事件4日後にブラジルへ逃亡していたことが分かり、捜査本部は06年2月に国際手配、日本政府はブラジル政府に同12月に代理処罰を要請していた。

調べによると、アルバレンガ容疑者は、十数年前に来日。04年夏に浜松市に移り住み、会社員や工員をしていた。当時は無職で現場近くのアパートに住んでいたという。捜査本部は、アルバレンガ容疑者が客を装って来店し、食事後に三上さんを襲ったとみている。(2007年2月17日読売新聞)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
被害者遺族の心労、負担が軽減された事は、いいことです。
市民も公安当局への信頼を増すことでしょう。