[介護放棄死]「悲劇の背後にある家族の崩壊」
介護放棄による家庭での悲惨な事件が相次ぐ。その原因や背景を究明し、未然防止策を考えなければならない。
広島市で寝たきりの60歳男性が衰弱死し、妻と息子2人が先月、殺人容疑で逮捕された。大阪市でも、寝たきりの61歳の女性が死亡し、夫と長男、長女の3人が保護責任者遺棄致死の疑いで書類送検された。難病で療養中だった63歳の夫を餓死させたとして、妻が逮捕される事件も起きた。
いずれも、「老老介護」で追い詰められた末、といった例とは事情が異なる。生活にそれほど困窮していたわけではない。調べに対し、当事者らは「介護が面倒だった」などと供述している。まさに「家族の崩壊」が生んだ事件だ。
広島の男性は、病院の治療や十分な食事も与えられず、発見時、体重32キロまでやせ細っていた。そのまま放置すれば死に至るかも知れないと思いつつ、介護しない。「未必の故意」による、異例の殺人容疑も、そうした事情のためだろう。
三つの事件とも、家族が公的なサービスを利用しようともしなかった。
広島の男性は、脳出血の後遺症から、要介護3に認定されていた。だが、妻らは、福祉施設のデイサービスを昨年夏に打ち切った。施設への入所も可能だったが、市に相談していなかったという。
大阪の二つの事件では、介護認定されるのが確実だったのに申請すらしていなかった。家庭が地域から孤立して密室状態にあり、行政との接点も欠いていたことが一因、とみられている。
いずれも極端な例には違いない。だが、介護放棄死につながる“芽”は全国的に広がっている。2003年度に厚生労働省が行った家庭内の高齢者虐待の全国調査によると、虐待された1990人の半数以上が介護放棄を経験し、1割以上が生命にかかわる状態だった。
昨年4月施行の改正介護保険法で、虐待の防止や早期発見を市町村の義務とした。同時施行の高齢者虐待防止法では、虐待発見者に通報を義務づけ、市町村に家庭への立ち入り調査権限を与えた。
児童虐待と同様、それを発見するのは簡単なことではない。事件の予兆を早く察知するための体制づくりが肝要だ。
埼玉県和光市は、65歳以上の市民全員に健康状態などの質問票を郵送し、回答のない家庭には、民生委員らが訪問調査している。神奈川県横須賀市は、高齢者虐待防止センターを設けて専門の保健師を配置し、相談を受け付けている。
行政が民生委員や町内会、警察などとネットワークを作り、問題家庭に手を差し伸べていかなければなるまい。(2007年2月18日読売新聞・社説)
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この映画を製作した人に会った、ことがあった。掛けられた言葉、については言及しない。伏し目がちのこちらに、その言葉は決して肯定的なそれ、ではなかった。<聖句>に、『預言者は故郷に受け入れられない』というのが、確かあったはずだ。その当時、モグリで「キリスト教概説」かの講義を聴いていたから、それを気にしたのかもしれない。その講義は、やはり難しく、堅かった。しかし、小教室で、生徒の椅子に空席が目立ったから、モグリでも良心は咎めなかった。ひとり聴講生があなたの講義が聴きたくて参加仕りました、って顔で聴いていた。それでも、数重ねると、咎めか、その後しなくなったが。
その製作者がクリスチャンとは、おもわなかった。でも、この映画の出演者の誰かはクリスチャンだとおもった。
この映画を何度も観た。後日、そのレポートを原稿用紙に書いて持参した。会ってくれました。同じ原作者の「複合汚染」も読んで、その脚本も同じビルの喫茶店で読ませてもらいました。でも結局、それは映画化はなかった。芸能記者を気取るタレントもないから、やっと、ここでネタに使っている、という訳だ。
この製作者はおそらく、関西出身なんだろう、とおもった。数年粘ったが、この会社では、青年の夢想すら適わなかった。否、自分のタレント不足であろう。ひとつもふたつも上のクラスで動いているのであろう。メッセンジャーボーイの類であったろう。いや、こちらも怪しい。それでも、恐らく、多くの出演スターとギャラの話をしたであろう応接室で、何度も押し掛ける青年に、参加する場合のギャラを僅かでも具体的に提示してくれたのには、感じ入った。
現在某TV局で放映中の「華麗なる一族」の、劇映画製作も、この人である。コンビの製作者の方も居た。日本映画界に残した名作の数々を承知している。しかし、ドキュメンタリー映画、福祉映画は作らない。
ここで、誤算というは、「複合汚染」を映画化しなかった、ことをいうのではない。
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この映画に主演した森繁久弥さんは、後年演劇部門では初めての文化勲章受賞者となられた。ミュージカル「屋根の上のヴァイオリン弾き」では、原作者にユダヤ人の気持ちがわかると絶賛された。上演記録も打ち立てた。舞台の最前列の観客が眠っているので、上から声掛けたら、その観客は目が不自由な方だった、というエピソードもある。
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豊田四郎特集を東京は新宿、コマ劇場地下、シアター「アップル」で観ました。「猫と庄造と二人の女」と、もう認知症で忘れた。
それで、「恍惚の人」この監督が豊田四郎なんです。あの「二十四の瞳」の大石先生と教え子を、なんと夫婦役で登場させました。
まぁ、配役は製作者が決めるなら、その製作者佐藤一郎さんが、「華麗なる一族」で監督山本薩夫、主演仲代達矢となる。カラーですから、リアリズムもセットでも金が掛かる。芸能記者にもなれず、ここで、また借りを返してしまおう。