白血病の治療に有効な骨髄移植など造血幹細胞移植に関する症例情報を共有しようと、日米欧の関連学会・団体が登録システムの一元化に乗り出す。
計50万件に上る症例情報を活用し最適な治療法の選択に役立てるもので、患者にとっては朗報となりそうだ。
情報を共有するのは、日本造血細胞移植学会と、欧州・北アフリカなどの42か国が参加する国際学会「欧州造血細胞移植グループ」、北米を中心とした400の医療機関の症例データを管理する「国際造血細胞移植データ登録機構」。
病気の血液に代わり、血液の元になる細胞を移植する造血幹細胞移植は、骨髄のほか、最近は血管から採取する末梢(まっしょう)血や、へその緒から採取するさい帯血の利用も増えている。しかし、国や学会によって白血病など疾患の分類方法が異なるため、治療成績が比較できず、評価ができなかった。
こうした現状を解消するため、日米欧の関連学会・団体は、昨年12月、疾患の分類方法や使用した免疫抑制剤、術後の感染症など、登録項目を一元化することで合意した。まずは、7月をメドに、その項目を決める。(2007年2月18日読売新聞)