東京都・千葉県境を流れる旧江戸川で昨年8月14日、クレーン船が高圧送電線に接触、首都圏の約139万戸が停電した事故の海難審判の裁決が1日、横浜地方海難審判庁であった。今泉豊光審判長は「水路調査が十分でなく見張りも不十分で、安全確認を行わなかったことが原因」として、いずれもクレーン船を誘導していたタグボート「第2海神」の和田英司船長(43)に業務停止2か月、「海神」の木場田健司船長(24)に同1か月15日を言い渡した。刑事裁判の求刑にあたる理事官意見は、2人にそれぞれ業務停止1か月15日、1か月を求めており、理事官意見よりも重い異例の裁決となった。また、クレーン船の青木学運転士(34)、タグボートを所有する三国屋建設(茨城県神栖市)に対し再発防止を勧告した。裁決理由で今泉審判長は、「和田船長が事故2日前に水路調査をしながら、送電線を見落とした上、地形図も十分に調べなかった。木場田船長も現場を航行した経験が約20回あり、送電線がないと思い込みがあった。さらに、青木運転士が安全確認しないままクレーンを上げたことなどが事故原因になった」と述べ、典型的なヒューマンエラーだったと指摘した。三国屋建設については、「1999年に水戸市の那珂川で送電線接触事故を起こしながら、社員に周知せず、安全教育も形骸(けいがい)化していた」とした。(読売)
~~~~タグボート船長のどちらか、さもなくば運転士、彼らのひとりでも気付いていれば。電力設備関係者も脱力してしまった事故でした。河川事故でも、海難審判なんですね。それが、わかりました。