線路に入り込んだ女性を助けようとして電車にはねられ、先月12日に死亡した警視庁板橋署常盤台交番の宮本邦彦警部(当時53歳)(巡査部長から2階級特進)の遺族に1日、政府から正七位旭日双光章が贈られた。事故後、同庁には全国から手紙や電子メール、記帳などが1万件以上寄せられ、今も同交番を訪ねる人が絶えない。妻の礼子さん(53)は同署を通じ、「改めて夫の行為を誇りに思います。全国から寄せられたお見舞いなど温かいご芳情に心から感謝しています」とコメントした。授与式の会場となった板橋署の講堂には、宮本警部の遺影が飾られ、伝達役の警察庁の小野正博審議官は、礼子さんと長男の大学1年生、篤史さん(20)を前に、「身命をかけて職務を実践し、すべての警察官の心に火をともしてくれました」など、追悼の言葉を述べた。一方、板橋区では、宮本警部の勇気ある行動をたたえ、同交番付近に記念碑の建立を検討しており、近く地元町内会と協議する。(読売)