京都府宇治市の学習塾で2005年12月、小学6年の堀本紗也乃(さやの)さん(当時12歳)を刺殺したとして、殺人罪などに問われた元同志社大生で、アルバイト講師だった萩野裕(ゆう)被告(24)の判決が6日、京都地裁であり、氷室真裁判長は、懲役18年(求刑・無期懲役)を言い渡した。
最大の争点だった刑事責任能力について氷室裁判長は、萩野被告に完全責任能力があったと認定した上で「極めて悪質。何の落ち度もない被害者が感じたであろう恐怖心は想像を絶するものがある」と述べた。しかし、犯行時、精神病のような状態だったことや、犯行後110番通報し、自首が成立することなどを考慮して刑を減軽した。
公判で、萩野被告は紗也乃さんの像が剣を持って襲ってくるという幻視体験に悩まされていたなどと供述。公判段階で行われた精神鑑定は被告を「広汎(こうはん)性発達障害」と診断したが、「犯行当時、精神病のような状態にあったが、責任能力を喪失しているとまでは言えない」とした。
この日の判決で、氷室裁判長は、責任能力について〈1〉犯行遂行を邪魔されないよう様々な工作を行うなど非常に計画性が高い〈2〉現実と幻視の像を区別して認識できている〈3〉指導に関する抗議や担当を外されたことなど、被告にとって腹立たしい出来事が犯行の動機として理解できる――などと認定。「善悪を判断する能力や行動を制御する能力が著しく減退した心神耗弱というべき状態だった」としていた弁護側主張を退けた。
判決によると、萩野被告は、2005年12月10日午前9時ごろ、アルバイト講師として勤務していた宇治市の学習塾「京進」宇治神明校の106号教室で、同塾の生徒で教え子だった、市立神明小6年の堀本さんの首などを出刃包丁で突き刺すなどして失血死させた。(読売)
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自分も被害者と同学年時塾通いしていたので、わかる部分がある。