かいふう

近未来への展望や、如何に。

女児死亡事故、横浜地裁判決。

横浜市旭区の市道で昨年11月、トラック荷台に積んだ重機のアームが市の道路占用許可基準(高さ4メートル50以上)より低い電線に引っかかって街路灯を倒し、会社員筑井康隆さん(42)の長女愛ちゃん(当時1歳)らが死傷した事故で、トラックを運転していて業務上過失致死傷罪に問われた土木作業員半沢広高被告(43)の判決が9日、横浜地裁であった。

深見玲子裁判官は「前方の安全確認という基本的な注意義務を怠った」と述べ、禁固2年10月、執行猶予5年(求刑・禁固2年10月)を言い渡した。

この事故をきっかけに横浜市は調査を実施、基準を満たしていない電線1万7447本が見つかるなど、全国で「低い電線」を改修するきっかけになった。

公判で被告側は「市や設置者の過失と競合する部分もある」としたが、起訴事実を認め争わなかった。

          ◇

事故で自分も重傷を負い、今も治療が続く筑井さんは判決後、愛ちゃんの遺影とともに横浜市内で記者会見し、「納得できず、愛に説明できない。家族が受けた肉体的、精神的苦しみはこんな判決では済まされない。検察には控訴してもらいたい」と悔しさをにじませた。「責任の所在はほかにもあるはずで、民事で闘っていく」と話した。

筑井さんは、電線を設置した大手警備会社「セコム」(東京・渋谷)と、設置を許可した同市に対する民事訴訟の準備を進めている。(読売)