ガス機器での事故が相次いで発覚している問題に関し、経済産業省は13日、1986〜2006年の事故発生状況を発表、3337件の事故が起き、570人が死亡したことを明らかにした。
このうち、ガス湯沸かし器などでクローズアップされた一酸化炭素(CO)中毒による死亡事故は239件で、死者は355人に上る。同省が、保有する事故情報をメーカー名も含めて開示したのは初めて。
同省が今回公表したのは、ガス事業法などで事故の報告が義務づけられているガス事業者からの情報を集計したもので、事故情報がメーカーに十分伝わっていなかった実態が浮き彫りになった。
今回の発表を事故の形態別にみると、最多は、火災や爆発などの2635件(死者136人)。以下、不完全燃焼によるCO中毒の530件、燃焼前のガスを吸引したことによるガス中毒の136件(死者69人)などが続く。機器別では、小型湯沸かし器80件、大型湯沸かし器70件、風呂釜60件などとなっている。
また、CO中毒による死亡事故をメーカー別に集計したところ、パロマ工業(66件、死者95人)、松下電器産業(43件、同71人)、リンナイ(18件、同28人)、ノーリツ(15件、同18人)――の順に多かった。
今回、86年以降の事故を集計対象とした理由について、同省は、「発生状況やガス機器の型式、製造年月などの情報が、この時期から詳細に保管されていたため」と説明している。年代別の事故件数は、86年の477件が最多で、以後減少傾向が続き、01年には48件にまで減った。しかし、その後は、やや増加傾向に転じ、最近は、04年90件、05年88件、06年143件などとなっている。(読売)