かいふう

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仙台地裁判決、損害賠償は棄却。

kaihuuinternet2007-03-20

原爆症の認定申請を却下した国の処分を不服として、仙台市被爆者2人が処分の取り消しと1人300万円の損害賠償を求めた集団訴訟の判決が20日、仙台地裁であった。潮見直之裁判長は、2人ともに放射線と疾病の因果関係を認めて処分取り消しを命じた。国への損害賠償については、いずれも請求を棄却した。

原爆症認定をめぐる集団訴訟は全国17地裁で起こされ、昨年5月と8月の大阪、広島地裁が計50人の原告全員を認めたが、今年1月の名古屋地裁判決は、原告4人のうち2人を認めなかった。今回の判決も、3地裁同様、国が認定基準を形式的に適用していることを批判した。22日には、東京地裁の第1次提訴の原告30人に判決が言い渡される。

仙台地裁に訴えていたのは、広島市の爆心地から1・8キロの路上で被爆した波多野明美さん(68)(仙台市太白区)と、2キロ離れた兵舎内で被爆した新沼■雄(みつお)さん(83)(同市泉区)。波多野さんは胃がんとがん摘出手術後の「胃切除後障害」、新沼さんはぼうこう腫瘍(しゅよう)の症状を訴え2002年、国に原爆症認定を申請したが却下され、03年12月に提訴した。(■は弐の「二」の部分が「三」)

原爆症と認定されるには、〈1〉放射線と疾病との因果関係〈2〉医療が必要な状態にあるか――の2要件を満たすことが必要。因果関係の有無は、爆心地からの距離で推定される放射線の被曝(ひばく)線量の計算式「DS86」をもとに、年齢や性別などを加味して放射線による疾病発生確率を示す「原因確率」によって審査される。

国の認定審査では、波多野さんの胃がん放射線によるものと認めたものの、「術後20年以上が経過し、再発もなく治療の必要はない。術後の後遺症も認められない」と治療の必要性を否定。新沼さんについては「脱毛などの急性症状がなく、被爆程度は軽かった。ぼうこう腫瘍は加齢を要因とする一般的症状で、再発の恐れもない」として、因果関係と治療の必要性のいずれも認めなかった。(読売)