かいふう

近未来への展望や、如何に。

プロテスタントである、と抗議するコーギ犬とインタビューする。

「きみはクリスチャンだそうだが」
「ワン!」
「英語での回答ですか」
「ワン!」
「なぜクリスチャンと主張するか」「何時からそうおもった」
「迫害を受けたとでもいうのか」
「ワン」
「誰からだ。彼はクリスチャンか」
「ワン」
「すると、クリスチャンから迫害を受けた、から抗議する、というのだな」
「ワン」
「その者は、ひとりか」
「ワン」
「特定の者か」
「ワン」
「それで、具体的にどういう迫害を受けたというのか」
「なに、必殺カニばさみ」「どのようなプロレス技か」
「両脇の下に、その者が両足でかかえるように、二本足で立たせようとした、というのだな」
「ワン」
「それは不自然で、苦痛であったと」
「ワン」
「被造物に対して、迫害であったと」
「ワン」
「だから、抗議すると」
「ワン」
「それでは、なぜプロテスタントなのか」「きみはコーギ犬ではないか」「原産地はたしかイギリス。牧羊犬から改良を重ねた」
「何、血が騒いだ」
「ワン」
「血統書付きの家系だから、それで英語でしか答えない」
「ワン」
「しかし、今回被告側からも陳述が届いている」「あれから、二度噛まれたと」「しかも、二度目の傷はかなりの傷で、女だったら、告訴するほどの後遺症が残っていると」「ジャンプして噛まれるとは予想外だったと」「何、本来牧羊犬だから、本能があると」
「ワン」
「彼はすでにクリスチャンだから、かの子羊を追い込むように、したまでですと」「本人も、あの当時は執事の職を給わり、それで有頂天になり、それを戒める意図もあったと」
「ワン、ワン」

                                                                                                                      • -

クリスチャンと自覚してない犬もいるかも知れない。
警察犬と、盲導犬と、防犯犬の、差別は人はしてはならないだろう。更に飼い主には、訓練する義務も付随する。
本来牧羊犬が、家庭で防犯犬として飼われるようになった。これは、否定すべき材料が見当たらない。要は、飼い主とその犬種の相性や嗜好の問題であって、他の家庭の犬事、いや人事ではない。

                                                                                                                    • -

ネットにも、無料メールをいいことに、偽装アドレスに英語の綴りもイカサマの工作員モドキも、余暇の使い方も知らぬチンピラも、浮気できると妄想するジョロウ妻もいる。
彼らの相手する暇を持ち合わせないのが、クリスチャンであり、その生きる指針であろうことは、主はすでに先刻ご承知である。アーメン