エキスポランドの事故で亡くなった滋賀県東近江市の会社員小河原(こがわら)良乃さん(19)の通夜が7日夜、同市内の葬祭場で営まれ、友人ら約300人が参列し、冥福(めいふく)を祈った。母親の美代子さんが、涙をぬぐいながら焼香する参列者1人ひとりに頭を下げていた。
弔問に訪れたエキスポランドの山田三郎社長は遺族の意向で焼香できず、会場の外で手を合わせ、「ご遺族から『(娘を)返して下さい』と言われた。ひたすらおわびとお悔やみを申し上げ、二度と事故を起こさないと誓った」と話した。
小河原さんは、幼いころ父親を交通事故で亡くし、母親と姉2人、兄1人の5人家族。昨春、高校を卒業し、東近江市内のおもちゃ製造会社「エンゼルトランプ」に入社、トランプの製造などを担当していた。
エキスポランドには同僚5人と訪れ、うち1人は依然入院中で、4人は自宅療養しているという。
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通夜を前に7日午後、エキスポランドの山田社長ら8人は小河原さん宅を訪問。約10分間、遺族と話をした山田社長は「遺族の方からは『二度とこんな事故を起こしてほしくない』と言われた」と話した。(読売)
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大阪府吹田市の遊園地「エキスポランド」のジェットコースター「風神雷神2」の脱線事故で、同園が過去にも、年1回のコースターの法定定期検査に合わせて行うはずの「探傷試験」を、たびたび先送りしていたことがわかった。
今年も1月実施の予定を大型連休明けまで約4か月間順延しており、府警は先送りが常習化していた可能性があるとみて、詳しく調べている。
同園は、毎年1〜2月に建築基準法に基づく定期検査を実施する際、車体を解体し、超音波や磁気で車軸に傷や亀裂がないかを調べる探傷試験を併せて行っている。同園が資料で確認できた範囲では、2004〜06年は例年通り行っていたが、それ以前は、しばしば先送りすることがあった。
「探傷試験などの解体検査は自主的な取り組み」(建部淳・施設営業部長)との考え方に基づくものだったといい、園側の都合に応じて、閑散期の2月下旬や大型連休明けの5月上旬などに先送りすることが多く、順延期間は1〜3か月に及んでいたという。(読売)
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TVでコースター乗客の男の人が、乗車車両の順番を被害者良乃さんに変更依頼して、助かった経緯を答えていたが、心中複雑であろう。快諾した彼女の人柄をとやかく言っても、通夜を過ごした遺族には、家族がひとり欠けた、では済まない余りに大きな悲しみである。
直前に乗った客が2度乗って、その違いの異音に気付いたなら、何故係員に降車後すぐ報告しなかったのだろう。だが、それを責めるより、やはり遊園地来園の連休前にせめて試験を施行しなかった施設側の責任は重大である。大量の客を運んで疲労が重なったであろうから、の後日試験に点検日を持って来るべきでない、といっても事故は起きてしまった。故人には若過ぎる死だ。