大阪府吹田市の遊園地「エキスポランド」のジェットコースター「風神雷神2」の脱線事故で、府警吹田署の捜査本部は、折れた車軸の断面に疲労破壊特有のしま模様の凹凸を確認し、折損原因を「金属疲労」と断定した。
また、事故車両は導入後約15年間に一度も車軸を交換しないまま約23万キロを走行し、事故時は車軸が折れた状態で約560メートル走行していたことも新たにわかった。
府警によると、折れた車軸は直径約5センチ。軸の方向に対して、ナットの付け根部分でほぼ垂直に破断し、断面の半分以上には、金属疲労の際にできる線状の凹凸があることが目視で確認された。一部には、ねじ切れたような痕跡もあり、府警は近く、専門機関などに詳しい鑑定を依頼する。
一方、府警は10日、現場検証による車軸の落下地点や停車位置などの実測データを初めて明らかにした。
それによると、コース全長は985メートルで、折れたナット付きの車軸が落下したのは、スタートから約220メートル地点。「カランカラン」という金属音に気づいた入園客が発見し、エキスポランドを通じて届け出た。
その後、車両に異変が起きていたことを示す擦過痕が、少なくともレール上の3か所で見つかり、約770メートル地点で車輪部分が脱落。その状態で約10メートル進んで停車した。コース終盤の二重旋回ループを終えた地点と、車輪部分が脱落した地点の間のレールが激しく損傷していることから、脱線はこのあたりで起きたとみられている。
これまで事故車両の走行状況は、同園が事故当日、図面などから割り出した数値を公表しただけだった。(読売)
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大阪府吹田市の遊園地「エキスポランド」で脱線事故を起こしたジェットコースター「風神雷神2」で一昨年9月、乗車中の女性客が体を固定する安全バーに頭や首を強く打ちつけ、通院1年半のけがを負う事故があったことがわかった。
事故後、同園は点検のための試験走行を数回行っただけで営業を再開。事故は担当者間で処理され、山田三郎社長には報告されていなかった。
関係者によると、けがをしたのは、同府和泉市に住む20歳代の女性。2005年9月上旬、友人と2人で6両編成のコースターの中央付近に乗ったが、発車直後から遠心力に振り回される形で頭部の左右と後ろの安全バーで何回も強打した。
女性は園内の医務室で手当てを受けた後、病院で受診し、首の骨を痛めているとの診断を受けた。(読売)
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自家用車を持った人は、それが四輪であれ二輪であれ、動産としての財産、後日乗換えの下取りでもと、定期点検以外にも、愛車として清掃や自主点検怠り無く、と気にする。時に数日間の長旅にひとりの際は、帰宅後おもわず撫でてしまうほどになる。これは、何万キロも走破、夜道にヘッドライトのみ、残りメーターにガソリンスタンドの営業時間にヤキモキした者なら、共感できる感慨である。
遊園地の乗り物は、公共性のある、集団で同時に使用される機械であり輸送機器であろう。しかし、ジェットコースターは、その中でも、幼児同伴の家族が楽しむにしても、乗り物酔いの児童がいれば父兄が判断。この度の立ち姿での乗車には、年齢や身長制限があったろう。
それを承知での乗車であるから、乗客も弁えての事だ。
設備投資なら、減価償却は、計算の内。しかし、人命を預かっての乗り物なら、金属疲労は、見上げた大空のジェット機だけの話でないのは、設備管理の常識。それも、15年間一度も車軸交換無し、では、運営会社の経営疲労、と疑いたくなる。
TV報道では、同業他社に納品した関連メンテナンス会社の管理マニュアルには、8年という具体的年限が破損機器には該当してあった。約倍近い年月を経ての、今回の事故ということになる。
毎度の枕言葉であるが、15年間働いた車軸、は事実である。テレビから浮かんで、いかなる製品機器も、その当たり外れは付き物である。この車軸メーカー社員は、自慢話もできないだろう。そんなにまで耐えたのか、当たりに決まっている、としても。
その車軸を今もって交換無し、は真実である。
この真実を乗車直前の彼らが知ったなら、果たして何人がそれでも同意したであろうか。交換無し、の無為無策。無為、は無知故。無知は、営業稼動する車体の、各部品の磨耗耐用年数の把握。無策は、車体重量と乗員満載を上限とする、総積載時の運転状態、および運行日数と積算回数、それらから生じるであろう金属疲労、の予防点検対策。
死者が出た以上、事故が事件として法的な裁きが出る前に、すでに歴史の教訓として、各自肝に銘じよう。
本日の悪寒は、大食いの運動不足、のせいだけではなさそうだ。