イエスが最初に集めた弟子の数は、12人である。カレンダーは、12ヶ月だし、一週間は7日である。13日の金曜日から三日目が日曜日であるから、一週間は7日である、と納得した。
ロシア民謡に「一週間」♪というのがあって、たしかダーク・ダックスがよくハーモニーを聴かせていた。「イワンのばか」を書いたのが、「戦争と平和」のトルストイだと知って、彼はクリスチャンだから、「一週間」♪もクリスチャンあたりがつくったんではないか、と勝手なおもいを抱く。
さて、ならば自称クリスチャンは、イエスが選んだ12人の弟子の、そのうちのどのキャラクターの系譜なのか、などとおもってしまう。
「黙示録」を残すほど、愛される性格でもない。
鶏が鳴く前に三度知らないと言って、最期逆さ磔の信仰もない。
医者でもない。取税人でもない。そして漁師出でもない。
また、ローマの市民権があって迫害した者ほどの博識もない。
彼でもなく、また違う彼でもなく、そうやって消去法で、たどり着いたが、くじ引きで当たった者であった。
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ゆえに、若くして失くした者を、彼は愛される者とおもい、自分にないものを持つが故、その生きた証に、記憶が離れない。
彼が生きていればクリスチャンになったであろう、在り続けたであろう、そのおもいが留まっているが故、老いる前に、それをしなければ、とおもう。
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本日、TV放送で、若い女のアスリートが、「街道てくてく旅」という番組で、ある街道のある区間を歩いた。それをラジオで聴いていて、ある若者を想い出した。いや、もっと正確に言えば、その若者が最期の場所を思い出した。その峠は、かって自分が夜間下り走りぬけた道であり、その何年か前、ある若者が不慮の死を遂げた地点でもある。若い女は、若者の地点を歩いたであろうか。それが重なる時が、自分を駆り立てた。彼女の口から、一望する湖の名を聴いた時、この放送を聴く日が日曜である、そのことに意味を探る自分がいる。
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彼の悲報を聞いて、それからなお彼が生きた年月を経た。
まことに愛すべき者は、記憶の内に生きつづける。その記憶を持つ者が死すまでは。