かいふう

近未来への展望や、如何に。

SAT隊員が現場で死亡は初、の事件。

kaihuuinternet2007-05-18

愛知県長久手町の住宅街で17日午後、元暴力団組員の男が拳銃を発砲して妻とみられる女性を人質に籠城(ろうじょう)する事件が発生、男に撃たれた警察官1人が死亡、別の警察官も重傷を負った。男の長男と二女も撃たれた。

警察庁によると、死亡したのは同県警特殊部隊(SAT)の隊員で、SAT隊員が現場で死亡したのは初めて。県警は、警察官170人態勢で現場を包囲、殺人、殺人未遂事件として、男の身柄確保に全力をあげている。

県警によると、立てこもっているのは同町長配(ちょうはい)、大林久人容疑者(50)。17日午後3時45分ごろ、大林容疑者方から「父親が拳銃を持って暴れている」と男性の声で110番通報があった。県警愛知署員らが現場に駆けつけたところ、大林容疑者が拳銃を数発発砲。このうち1発が、同署長久手交番の木本明史巡査部長(54)に命中した。木本巡査部長は、玄関前に倒れたままとなり、午後9時20分ごろ救出されたが、周辺警戒に当たっていた林一歩(かずほ)巡査部長(23)が左胸を撃たれた。林巡査部長は18日午前0時14分、死亡が確認された。林巡査部長は防弾チョッキを着ていたが、チョッキのすき間の左鎖骨から入った銃弾が心臓に達した。死因は出血死だった。

盾を持った機動隊員らは横一列になって突入し、木本巡査部長を助け出した。大林容疑者は建物から顔を出し、大声を上げながら拳銃を数発発砲、林巡査部長が撃たれたという。大林容疑者が立てこもっているのは、自宅に隣接する平屋建ての建物。大林容疑者は、娘と話をさせるよう要求する一方、「近づくと撃つ」と威嚇、捜査員が近づけず、木本巡査部長の救出活動が難航した。

県警捜査1課と同署は周囲300メートルを立ち入り禁止にし、周辺住民に外出を控えるよう呼びかけた。

撃たれた家族は、大林容疑者の長男健人(けんと)さん(25)と二女里紗さん(21)。健人さんは腹、里紗さんは太ももを撃たれているが、命に別条はないという。

最初に110番があった数分後、女性の声で「父は落ち着いている。興奮するから近づかないでほしい」と再び通報があった。木本巡査部長らが現場に到着したのは、この直後だったという。

現場近くの商社では、男性社員が「午後4時前に『パンパン』と拳銃を発砲するような音が2、3回聞こえ、直後に救急車とパトカーが来た。事件と聞いて驚いている」と話した。

現場は東名高速道路名古屋インターチェンジの東南約3キロにある住宅地の一角。道路を挟んで東側に愛知学院大学、数百メートル北に小、中学校がある。(読売)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
愛知県長久手町の立てこもり事件で、同県警特殊急襲部隊(SAT)の林一歩(かずほ)巡査部長(23)(18日付で警部に2階級特進)が銃撃を受けて死亡したことで、警察当局は、優秀な人材を失うとともに、装備改善を迫られることになった。

銃などから完全に身を守る装備をしながら、現場で機敏に動き回らなければならないという、相反する課題を乗り越えることを宿命とするSAT。警察庁は対策への模索を始めた。

テロ対策などで犯人制圧を行うSATの隊員になるには、体力テストや銃技能テストで優秀な成績が必要なうえ、協調性も重要視される。このため、約25万人の警察官のうち、8都道府県で約300人しかいない超エリートだ。

拳銃に加え、ライフル銃、サブマシンガン、特殊閃光(せんこう)弾などを使いこなし、防弾ヘルメットや防弾チョッキなどをフル装備すると重量は約20キロにも及び、これをつけたまま、ロープ一本でビルから降りるなど、立てこもりやハイジャックなどを想定した訓練を日々行っている。

今回も、フル装備で救出作業に携わっていたが、防弾チョッキのわずかなすき間が命取りとなったことに、警察庁幹部は「手足への銃撃は命にかかわらないため、任務の性質上、隊員も覚悟しているが、今回は不運としか言いようがない」と漏らす。

装備について、「犯人側に手の内を知らせることになる」として、警察庁はその性能を一切明らかにしていないが、既に諸外国の特殊部隊と同レベル(警察庁幹部)といい、それだけに対策も難しい。同庁幹部は「より軽量化、より防弾化を高めてもらうよう、メーカーに依頼するなどして、何とか進めるしかない」と話している。(読売)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
この件で、もうブログ止めようか、とおもった。
無力感に襲われた。理由は、言わない。
被害者及び加害者宅前に横たわる警官の片手が動くのを、ヘリコプターからの空撮で、TV画面から見てから。その重傷の警官が救出された、と聴いて。その時は、同時に撃たれた別の警官が、やがて死亡した、とは知らなかったから。
巡査部長で、20代前半で、かつ若い妻と乳幼児が居ることも、知ったから。
もうすでに加害者である者の撃った凶弾が、若く有能な、将来を嘱望された者を、不運を引き連れて撃つ抜く、とは信じられなかったから。
犯人が逮捕される前、某TVのキャスターの女子アナが、殉職警官の二階級特進を報道していた。彼女の眼の微かに潤むのを見て、30年、いや50年が吹っ飛んだ、と感じた。
事件と、無事とは、こんなにも開きがあるものか。警官を職業に選択せし者は、こんなに呆気なく、かくも若く殉職、で終わってしまう、ものなのか。

                                                                                                                        • -

本日でブログは終了しない。こじつけるのは、嫌がるだろう。
更にもう一度祈らねばならない。自分のために。