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ミャンマーはどうなる

バンコク=田原徳容】ミャンマー軍事政権は25日、ノーベル平和賞受賞者で同国の民主化運動指導者アウン・サン・スー・チーさん(61)の自宅軟禁を1年延長し、本人に通告した。

同国情報省筋が明らかにした。スー・チーさんの軟禁期間は、2003年5月に身柄拘束されて以来、4年を超えることになる。国際社会の批判にミャンマーが耳を貸す日はいつになるのか、見通しが開ける兆しは全くない。

外交筋によると、同日午後4時30分(日本時間同6時30分)ごろ、警察関係者を乗せた車両がスー・チーさん宅を訪問。15分ほど滞在した後、走り去ったという。軍政幹部の指示で警察が軟禁延長を通達したものと見られる。

スー・チーさんの拘束・自宅軟禁は1989年から計3回、通算11年7か月に及んでいる。03年からの軟禁は3回延長され、27日が延長期限だった。スー・チーさんは、昨年6月に胃腸の病気で担当医の治療を受けた後、月1回のペースで診察を受けながら静養しているという。

AP通信によると、スー・チーさんが書記長を務める国民民主連盟(NLD)の広報担当者は、スー・チーさんの軟禁延長はまだ確認できないとしながらも、「事実だとすれば野蛮極まりない話だ」と語った。

スー・チーさんを巡っては、クリントン米大統領金大中(キム・デジュン)前韓国大統領ら57人の世界的指導者が先週、最高指導者であるタン・シュエ国家平和発展評議会議長に、解放を求める書簡を送ったばかり。NLDのメンバーは、今月1日から、ヤンゴンで解放を求める祈りの集会を連日開いていた。これに対し軍事政権は、参加者延べ50人を拘束するなどして、解放運動の抑圧を図った。

軍事政権が強気を崩さない背景には、ミャンマーの港湾や資源を戦略的に活用したい中国との関係強化が進んでいる以上、欧米などの干渉を無視しても独裁を維持できるとの自信がありそうだ。

昨年5月の3度目の延長以降、スー・チーさんの解放を求める国際社会の動きが活発化したが、成果は出なかった。国連安全保障理事会は同年9月、ミャンマー情勢を公式議題とし、今年1月には、米英が人権状況の改善を求めて提出した決議案を審議したが、否決された。「軍事政権は国際社会に妥協する必要を感じなくなりつつある」(消息筋)との分析もある。

最大の懸案である新憲法起草のための国民会議について、ニャン・ウィン外相は今年2月、起草作業は年内に完了するとの見通しを示した。しかし、昨年12月29日に休会した同会議が再開されるメドはまだたっていない。(読売)
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名作「ビルマの竪琴」の舞台である。竹山道雄の小説は、高校か中学かの国語の教科書に載ったのを憶えているが、それ以前に映画「ビルマの竪琴」の水島上等兵を主演した安井昌二さんの、丸坊主頭の僧侶姿に圧倒された。
少年には、そのモノクロ画面でひとり亡き戦友たちの遺骨を探し慰霊の旅する彼に、戦場の恐ろしさを体験した、生き残った者の苦衷が、「埴生の宿」♪という敵国の民謡でもある、それを合唱する戦友たちを背に去るのを、ほとんど畏怖に近い感覚で、観た。共演した俳優さんたちも、同様の戦中派の方々であるから、その対話の迫力といったらなかった。
何十年を経て、先と同じ市川崑監督が同作品を今度はカラーでリメークしても、そのメッセージの強さからして、世代の違う若い人が観に行くだろうと、違和感はなかった。
未だ異教徒が多数を占める、というスタンスから抜けない。それが、中東やらでの戦闘のニュースが頻繁で、関心がすぐには向かないで来た。
しかし、ノーベル平和賞受賞者、は置いても、4年に及ぶ軟禁を、国が一市民に科す、というのは、やはり尋常ではない。寒気がするのである。