脱北者支援団体の「北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会」(三浦小太郎代表)は2日、政府に対し、「北朝鮮人権法の精神に沿って(4人を)難民として保護し、希望する国に定住できるよう、人道的な保護と支援を強く要請する」という声明を出した。(読売)
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青森県深浦町の深浦港近くの沖合で2日午前、不審な船に乗って見つかった脱北者とみられる男女4人は、同県警の聴取に対し「最初は韓国に行こうとしたが、国境付近の警備が厳しいので、日本の新潟に向かった。4人で韓国に行きたい」と朝鮮語で供述していることがわかった。
北朝鮮の身分証を所持していたが、武器類は持っておらず、警察当局は北朝鮮から脱出し、漂流に近い形で青森県に到着したとの見方を強めている。
警察当局によると、4人は、50歳代後半と60歳代前半とみられる男女、20歳代後半から30歳代とみられる男性2人で、「夫婦と子供2人の家族で、うち1人は漁師をしていた。生活が苦しくて北朝鮮を出てきた」と供述。中国語や日本語を多少理解している人もいて、5月27日に北朝鮮北東部の清津(チョンジン)付近を出たと話したという。
4人が乗ってきた船は、全長約7・3メートル、幅約1・8メートルの古い木造船。旧式とみられるエンジンが取り付けられ、櫓(ろ)もあった。船内には水のほか、油のようなものもあったという。
武器類は所持していなかったが、毒薬とみられる薬品を所持。男性の1人は「北朝鮮当局に見つかったら、飲んで死ぬつもりだった」と説明した。警察当局で成分の分析を急いでいるが、工作員が使用する毒薬とは異なっているため、当局では「説明の通り、工作員などではなく、純粋に脱出を目指したのではないか」とみている。
政府は4人の身元確認を慎重に行ったうえで、入管難民法に基づいて対応していく方針。脱北者と判明した場合でも、北朝鮮へ強制送還はせず、最終的な対応を決めるまでの当面の措置として、6か月以内の日本滞在を可能にする「一時庇護(ひご)」の申請が出れば認める方向だ。その上で、韓国など第三国への出国を正式に希望した場合は、速やかな実現に向け、外交ルートで交渉を行う。(読売)