グッドウィル・グループ(GWG)の介護事業大手「コムスン」について、厚生労働省は、高齢者介護サービス事業だけでなく障害者福祉サービス事業でも不正な指定申請があったとして、同社のすべての事業所を対象に5年間新規指定をしないよう都道府県に通知していたことがわかった。
不正な指定申請があったのは、東京都と青森県の3事業所。高齢者介護サービスで虚偽申請が発覚した全国8事業所のうち、この3事業所では障害者福祉サービス事業でも、虚偽の指定申請を行っていた。
3事業所は、いずれも昨年9〜10月に、障害者向けの居宅介護サービスと重度訪問介護サービスの事業所指定を受けていた。申請時に非常勤のヘルパーを常勤と偽ったり、別の事業所で働くヘルパーの名義を借りたりして、常勤のヘルパーの数を水増しして届け出ていたという。
3事業所はいずれも、処分前に廃業届を出し、指定取消処分を免れていたが、厚労省は、高齢者介護サービスと同様、新規指定と更新を禁じる改正介護保険法の規定を適用。2011年8月まで申請を認めないよう6日に都道府県に通知した。厚労省によると、同社の障害者福祉サービス事業所は、全国で約1000か所。(読売)
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こんな不正がまかり通るようでは、介護保険制度の根幹が揺らぐ。当然の措置であろう。
厚生労働省は、訪問介護事業大手の「コムスン」が全国に展開する約2000事業所のうち1600余りについて、介護事業所としての指定を更新しないことを決め、都道府県に通知した。
コムスンの事業所は、指定の有効期間6年を過ぎた所から順次、介護保険業務ができなくなる。2011年末までは再指定も認められない。事実上の“退場処分”である。
コムスンの不正は、まず東京都で発覚し、青森、群馬、岡山、兵庫の各県でも見つかった。訪問介護などの事業所を新設する際、勤務していない職員を常勤ヘルパーに登録するなど虚偽書類を提出し、各地で事業所指定を受けていた。
それだけではない。各都県が問題事業所の指定を取り消そうとするや、先手を打って廃業届を出し、処分を逃れた。
業界大手としての自覚はもちろん、順法精神すら欠く行為だ。これでは、ほかにもさまざまな手口で介護報酬の不正請求を行っているのでは、と疑われてもやむを得まい。
06年に施行された改正介護保険法で、一つの事業所に重大な不正が見つかった場合、同じ法人が経営する他の事業所も指定更新しない、との連座規定が設けられた。厚労省はこれを初めて全国規模で適用した。法に則(のっと)った妥当な措置だ。
コムスンの利用者は6万5000人もいる。その大半は、事業所の指定期間が切れる前に、代わりの事業者を探さなければならない状況に追い込まれる。
だが、コムスンの親会社グッドウィル・グループはコムスンの全事業を別の連結子会社に譲渡する方針を発表した。
顧客へのサービスの継続と従業員の雇用確保を最優先するため、と説明しているが、事業譲渡でビジネスの実質的存続を図ろうとする意図が透けて見える。
介護という公共的な事業で、こうした法の裏を突くような手法を認めていいものか、厚労省は慎重に検討すべきだ。
業界大手の不祥事を機に、行政の姿勢も根本から改める必要がある。
介護保険は、サービスの担い手を確保するため、営利目的の事業者の参入も認める形でスタートした。行政は事業者の質より量を優先し、甘い指導を続けてきた。その結果、介護保険の総費用は7兆4000億円まで膨らみ、なお肥大化しつつある。
悪質事業者につけ込まれぬためには、厳格な処分とともに、制度全体の不断の点検も必要だろう。(読売)
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先日、コムスンの事業所のひとつ、その店舗前を歩いてきた。以前は
パソコンの教室が入居していたが、数年前から換わった。
地域ごと、その対象者数や介護度やら、違うだろう。真面目に努力し、対象者に評判のよい所もある。
防衛大出の経営者なら組織だって。しかし、「ヒルズ族」なのかな、壱千億などと、どこぞの誰かのごとく弁舌していた。
ある自治体の長が、福祉とはそんなものではない、と苦言を呈する以上の違和感を述べていたが、そうだろう。
バブル全盛の六本木界隈のダンス場とは感覚に差がある。
それでも、経営者の手腕が、ある時は若者の表現と交際の場の提供。そしてまた今度は、来るべき高齢者のケア 。お年寄りが喜び、従事者も意欲に燃える体制を構築してもらいたい。