年金記録漏れ問題に関連し、柳沢厚生労働相は13日の衆院厚生労働委員会で、1950年より前に船員保険の資格を失った人の年金記録約36万件がコンピューター入力されておらず、一部が該当者不明となっていることを明らかにした。
年金記録の管理をめぐる社会保険庁のずさんな対応が改めて明らかになった。
社民党の福島党首の指摘に対し、社保庁が12日の「入力済み」との説明を訂正した。
今回、明らかになったのは、50年より前に船員保険資格を失った人のデータで、生存していれば70歳以上の人の記録が多いとみられる。データはマイクロフィルムに残っており、本人が船員保険などに再加入した際にコンピューター入力された部分もあるが、98年時点で約36万件あったデータのうち、現在も該当者不明のものがあるとみられる。
船員保険は、船員が対象の医療、雇用、労災保険の制度で、年金は86年に厚生年金に統合された。
一方、柳沢厚労相は13日の衆院厚生労働委員会で、社保庁が国民年金の納付記録3090件を対象に、原本の手書き記録とコンピューターの記録を照合したサンプル調査で、氏名や生年月日に関する記録の不一致が4件あったことを明らかにした。長妻昭氏(民主)の質問に答えたもの。
社保庁が12日に公表した調査報告書では「氏名、生年月日に関する食い違いはなかった」としていた。4件の不一致は、「氏名のふりがなの濁点の有無」が2件、「生年月日のずれ」が2件だった。
サンプル調査を巡っては12日の段階で社保庁が「記録の不一致は4件」と公表し、13日午前になり一転して23件の不一致があったと説明した。さらに、23件の中に氏名、生年月日に関するミスがあることも、同日午後に明らかにするという混乱ぶりを見せた。(読売)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
厚生労働省は13日、年金加入者の受給開始の申請の遅れが原因で、5年間の時効によって受け取ることができなくなった年金額が、1999年度から2003年度の5年間で、計1155億円に上るとする推計を明らかにした。
与党は今国会に、議員立法で年金の時効を撤廃する「年金時効撤廃特例法案」を提出しているが、同法案が成立しても、申請遅れが原因の時効分の年金は補償対象とはしないとしている。
推計は、13日の衆院厚生労働委員会で、厚生労働省の渡辺芳樹年金局長が公表した。
渡辺局長によると、99年度からの5年間で、新たに年金を受け取り始めた加入者は約800万人で、そのうち、請求の遅れによる時効分の年金が見つかったのは9万3075人としている。1人当たり平均124万円を失った計算だ。(読売)