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警視庁公安部、誘拐容疑で2人の逮捕状を請求。

kaihuuinternet2007-06-13

1980年にスペインで消息を絶った石岡亨さん(当時22歳)と松木薫さん(同26歳)の拉致事件で、警視庁公安部は13日、結婚目的誘拐容疑で、「よど号」乗っ取りグループのリーダー田宮高麿容疑者(95年11月死亡)の妻で、北朝鮮在住の森順子(よりこ)容疑者(54)ら2人の逮捕状を請求した。

森容疑者は、よど号グループの会議の席で「2人の男性を旅行に誘ったら、うまくいった」などと発言していたことも判明。公安部では、森容疑者らが石岡さんと松木さんに狙いをつけて北朝鮮に連れ去ったことを裏付ける事実とみている。

同じく逮捕状が請求されたのは、若林(旧姓・黒田)佐喜子容疑者(52)。公安部は逮捕状の取得後、2人を国際手配する方針で、国内の関連先約30か所の捜索にも踏み切る。

調べによると、森、若林両容疑者は80年6月ごろ、スペイン・マドリードで、旅行中の石岡さんと語学留学中だった松木さんに「ウィーンに行こう」などと持ち掛けて旅行に誘い出し、北朝鮮に拉致した疑い。

森容疑者を巡っては、公安部が、日本にすでに帰国したグループの元妻(51)を事情聴取したところ、「グループの会議の席上、『2人の男性を旅行に誘ったら、うまくいった』という発表があった」などと供述し、発表したのが森容疑者だったとも打ち明けていた。

この際、森容疑者は、男性2人の氏名や拉致の詳しい経緯などについては触れなかったが、「1人は背が高く、1人は体が小さい」「1人は語学が堪能」と説明するなど、2人の特徴を明らかにしていたという。

元妻が、この発表を聞いたのは、グループが集まって暮らす平壌郊外の「日本革命村」で開かれた会議の席上で、石岡さんと松木さんが、スペインからウィーンを経て北朝鮮に拉致され、平壌市内の招待所で思想教育を受けていた80年7月から約1年ほどの間の時期とみられている。

元妻は「日本に帰国後、この時の男性2人が、石岡さんと松木さんに間違いないと確信した」と公安部に説明しているという。

よど号グループは80年代を通じ、勢力維持を目的に欧州各地で日本人獲得工作を進めていたことが明らかになっており、森容疑者はその“成功事例”を語ったものとみられる。公安部は、グループと北朝鮮で行動をともにし、今月5日に帰国した赤木邦弥容疑者(52)(旅券法違反容疑で逮捕)も、同じような話を見聞きした可能性が高いとみて、今後、赤木容疑者についても追及する。

北朝鮮に拉致された石岡さんと松木さんは、83年7月に拉致された有本恵子さんとともに、よど号グループとは別の場所で暮らしていたとみられる。3人について北朝鮮はこれまで、「石岡さんと有本さん、それに娘の3人は88年11月、ガス中毒で死亡。松木さんは96年8月に交通事故死した」と日本政府に説明していた。(読売)