かいふう

近未来への展望や、如何に。

「信濃の村上は云った『実兄でなくてよかった』・・・積むこと山の如し。保釈金加算」

kaihuuinternet2007-07-20

ニッポン放送株を巡るインサイダー取引事件で、証券取引法違反の罪に問われ、東京地裁で19日に懲役2年の実刑判決を受けた村上ファンド元代表村上世彰(よしあき)被告(47)は閉廷後、いったん東京地検に身柄を拘束されたが、保釈請求が同地裁に認められ、再び保釈された。

保釈保証金は7億円。村上被告は昨年6月に保釈された際、保釈保証金5億円を納付しており、追加分の2億円を小切手で納付した。公判の被告人質問では、個人資産が200億円以上あることを認めていた。

無罪を主張してきた村上被告は、実刑という厳しい結果にショックを受けたのか、判決理由の朗読が終わった後も、傍聴席の最前列で見守っていた家族と目を合わせようとしなかった。

関係者によると、保釈後、車の中でもぼう然とした様子で、判決についてはひと言も話さなかったという。(読売)
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「モノ言う株主」の“象徴”に対する厳しい断罪である。

ニッポン放送株を巡るインサイダー取引事件で、東京地裁村上ファンド元代表村上世彰被告に懲役2年の実刑判決を言い渡した。追徴金も証券取引法違反では過去最高の11億4900万円とした。村上被告側は直ちに控訴した。

村上ファンドが、ニッポン放送株を売却して得た利益は、約30億円に上る。判決は、「不公正な方法で一般投資家を欺き、不特定多数の損失の上に得られたもの」と断定した。

実刑判決は証券市場の信頼と公平を損なった重大性を考えてのことだろう。

村上ファンドは、大量保有していたニッポン放送株を高値で売り抜けるためライブドアに大量買い付けを持ちかけ、確かな感触を得て、さらに買い増した。

公判で争点となったのは、2004年11月、ライブドア側から、村上被告に伝えられた「ニッポン放送株を3分の1買い占める」という話が、インサイダー情報に当たるかどうかだった。

村上被告側は「実現可能性のない大言壮語だった」と主張したが、判決は「ライブドアは株の大量取得を意図し、資金調達のメドもついていた」として、インサイダー情報だと認めた。検察側が描いた構図通りの認定だ。

村上被告とライブドア前社長の堀江貴文被告は、日本経済がバブル崩壊後の長期不況から抜け出す時期に脚光を浴び、「時代の寵児(ちょうじ)」ともてはやされた。

堀江被告は、ライブドア粉飾決算などで懲役2年6月の実刑判決を受け、村上被告も実刑となった。

堀江被告の判決は「利益のみを追求した犯罪」、村上被告の判決も「徹底した利益至上主義には、慄然(りつぜん)とせざるを得ない」としている。ともに「カネがすべて」と、違法な錬金術に走った2人を、司法は容認しなかった。

通産省の官僚だった村上被告は、「株主重視の経営を日本に根付かせる」として、ファンドを創設した。しかし、ファンドの規模が膨らむにつれ、初心を忘れて、専ら利益を追求した。

ブルドックソースなど、投資ファンドに大量の株式を取得され、経営を揺さぶられている企業は少なくない。東京高裁は株価引き上げを最優先する一部のファンドを「乱用的買収者」と断定した。

金融商品取引法に基づくファンドの登録・届け出制が近く導入される。透明性向上が狙いだ。金融当局による検査も可能になる。ファンドの行き過ぎた行動を抑止するため、証券取引等監視委員会の機能強化も必要だろう。(読売・社説)