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首相が被爆者代表と面会、認定基準緩和を表明。

安倍首相は5日夕、広島市内で被爆者代表と面会し、原爆症認定問題について、「専門家の判断をもとに改めて検討し、見直すことを検討させる」と述べ、認定基準を緩和する考えを表明した。

国の認定基準が否定された各地での原爆症認定訴訟で控訴を断念したり、取り下げる可能性については、「裁判は別として、国として何ができるか検討させたい」と、明言を避けた。

首相が広島の平和記念式典(6日)に合わせて被爆者代表と面会するのは、2001年の小泉首相(当時)以来、6年ぶり。

被爆者援護法では、放射線の影響による疾病と国から認定されれば医療特別手当を支給されるが、認定者は全被爆者の1%未満と少なく、認定基準の在り方が問題となっている。

原爆症の認定では、爆心地からの距離で被曝(ひばく)線量を測定する計算式が、他の要素との組み合わせの中で重要な要素を占めているが、一連の判決では計算式が実際の被曝線量より低く出る可能性を指摘し、これに依拠した認定は適切でないとの判断を示している。

首相の緩和表明を受け、今後、厚生労働省自民党で具体的な基準緩和策の検討を進めるが、被曝線量を測定する計算式などについて議論が行われるものと見られる。

裁判では、先月30日の熊本地裁判決を含め、大阪、広島、名古屋、仙台、東京の6地裁で、国の認定基準を否定する判決が出ている。国は熊本以外の5地裁では控訴して争っており、熊本についても控訴を検討中だ。

首相はまた、被爆者援護について、「保健、医療、福祉の総合的対策でしっかりと対応する。被爆者の高齢化を踏まえ、切実な声に真摯(しんし)に耳を傾けながら、国として何が出来るか検討したい」と述べた。

在外被爆者への対応については、「詳細は6日、厚生労働相から説明がある」と述べた。北朝鮮在住の被爆者の実態調査については、「日朝関係全般の中で考えたい」と繰り返した。

首相がこの時期に認定基準緩和を表明したのは、裁判での流れに加え、被爆者の高齢化が進んでいる現状も考慮したためだ。厚生労働省が慎重だった見直しを「政治決断」で実現することで、首相の指導力を印象づけ、参院選での自民党惨敗からの政権立て直しを図る思惑もありそうだ。

実際、首相官邸は当初、被爆者代表と首相の面会は「日程の都合上できない」としていた。1日の時点でも、昨年の小泉首相(当時)同様、「平和記念式典に出席し、『被爆者代表から要望を聞く会』は欠席する」としていたため、被爆者団体などが反発し、再考を求めた経緯がある。

結局、首相官邸は2日になって「日程調整ができた」として、「聞く会」とは別に、5日に被爆者代表との「懇談会」を設定した。

5日の懇談会で首相は、久間章生・前防衛相の発言について「被爆者の心を大変傷つける結果になり申し訳ない」と謝罪した。(読売)
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[原爆症認定訴訟]にしようか迷ったが、現時点では首相が、裁判は別として、ということで、6年ぶりの面会を意識した。