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特定失踪(しっそう)者問題調査会が声紋鑑定。

1988年に鳥取県沖で漁に出たまま行方不明になった同県米子市出身の矢倉富康さん(当時36歳)に似た男性が、今年3月に北朝鮮で撮影された写真に写っていた問題で、特定失踪(しっそう)者問題調査会が、矢倉さんの家族とこの男性の声紋鑑定を進めている。

男性は朝鮮中央放送委員会のラジオアナウンサー「慎範(シンボム)」氏とされる。

法人類学者の写真鑑定では、「矢倉さんの可能性が極めて高い」とされているだけに、今月下旬にも結果が出る予定の声紋鑑定に注目が集まっている。

鑑定の対象は、矢倉さんの両親の声と、慎氏が日本向けに放送されている短波ラジオ放送でしゃべっている音声の声紋。調査会が音響工学の専門家に鑑定を依頼した。

調査会によると、慎氏は同委員会のアナウンサーで、日本語番組「朝鮮の声」で司会を務めている。関係者によると、慎氏は矢倉さんが行方不明になった88年ごろから出演しているとの情報もある。

矢倉さんに似た男性の写真は今年3月15日、日朝友好団体の関係者が平壌のホテルで、同委員会のメンバーらと面会した際に撮影された。この男性は「アナウンサーをしている慎範」と自己紹介したという。

調査会では、この写真をもとに、東京歯科大の橋本正次教授に鑑定を依頼したところ、「矢倉さんの可能性が高い」との鑑定結果を得た。ただ、特定失踪者の写真を巡っては、以前、失踪者と酷似しているとされた男女2人の写真が別人と判明したことがある。

声紋鑑定も、本人の家族と第三者の声で「同一人物」と判定するのは難しいとされるが、調査会の荒木和博代表は「写真による鑑定結果の補強材料にしたい」と話している。

矢倉さんは88年8月、鳥取県沖に一人で漁に出かけて行方不明になり、漁船だけが見つかった。船の左舷には、船同士が衝突したような青い塗料が付着しており、調査会は、北朝鮮による拉致の疑いが「濃厚」としている。(読売)