【ワシントン=宮崎健雄】米議会は17日、優れた功績をあげた人物に贈る最高勲章「議会金メダル」をチベット仏教の最高指導者、ダライ・ラマ14世に授与した。
ワシントンで開かれた授与式にはブッシュ大統領が出席し、勲章を手渡した。ロイター通信によると、米大統領が公式の行事でダライ・ラマと同席するのはブッシュ氏が初めて。
ブッシュ大統領は授与式で、「米国は、宗教的に抑圧された窮状に目をつぶることも顔をそらすこともできない」と強調し、「中国の指導者に、(亡命生活を送る)ダライ・ラマを迎え入れるよう促していく」として、チベット問題の解決を支援する姿勢を示した。
ダライ・ラマは、勲章が「チベットの人々に大きな喜びと励ましをもたらす」と謝意を表明。授与式をめぐっては、チベットの分離・独立に神経をとがらす中国政府が内政干渉として中止を求めていたが、「我々が求めるのは中国政府の下での自治であり、独立ではない」と改めて主張した。
ブッシュ大統領は授与式前の記者会見で、「米中関係に深刻な影響はないと思う」と話したが、9月にシドニーで胡錦濤・中国国家主席と会談した際、授与式出席を事前に知らせるなど一定の配慮を示していた。
議会金メダルは、ロナルド・レーガン元米大統領夫妻やブレア英首相(当時)、マザー・テレサ、ローマ法王ヨハネ・パウロ2世らに贈られている。(読売)
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思い出したぞ。マザー・テレサが、あの白と青の尼僧衣で、感謝の言葉を公衆の面前で述べたのを。そうか、かっての受賞者の方々を知れば、どのような勲章で、評価か察しが着こうというものだ。
このニュースが世界に配信され、衆人に知れ渡ることが、重要な意味をもたらす。
何を隠そう、自分もユーチューブで、あの戦慄と悪寒が走る、吹雪舞う山岳高地を越境途中、中国警備兵に狙撃され倒れたチベット仏教少年僧の一行を、視たのだ。
あの時テントから目撃した各国の登山家たちも、痛ましい事件を忘れることはなかろう。
撃たれて、降り続ける雪に埋もれていく様は、「人間の條件」の主人公のラストシーンそのものではないか。しかも交戦中の少年兵ではない。少年の僧侶である。彼が極寒の中慕って、越境までして会おうとした相手は、まさにこの人ではないか。
名も知らぬ異教の徒、そして彼もおもいもせぬ死。
信心という素朴な基盤というか、純粋な少年の意志。それを見せられてしまった。