かいふう

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改正少年法が、参院本会議で可決。

少年事件に対する家裁の審判で被害者や遺族の傍聴を可能にする改正少年法が11日、参院本会議で可決、成立した。

事件の詳しい真相を知りたいという被害者側の声を受けたもので、年内に施行される。国会審議で、12歳未満による事件は傍聴の対象から除くなどの修正も行われ、少年の更生への影響にも一定の配慮をした内容となった。

少年審判の審判廷は原則非公開で、裁判官や弁護士、少年とその保護者のほかは、家裁調査官らしか入室できない。改正法は、被害者側が傍聴を申し出た場合、家裁が少年の心身の状態などを考慮して傍聴の可否を決定するとしている。

対象となるのは、殺人など故意の犯罪行為で被害者を死傷させた事件と、交通事故などの業務上過失致死傷事件。法務省によると、これらの少年事件は被害者が死亡したケースだけで年平均380件に上る。

国会審議では、狭い審判廷に被害者が入ることで少年が委縮したり、トラブルが生じたりする懸念が野党から指摘された。このため、与党と民主党が〈1〉小学生にあたる12歳未満の少年は被害者の存在に動揺しやすいため、傍聴を認めない〈2〉家裁が傍聴の可否を判断する際は少年の付添人(弁護士)の意見を聴かなければならない――などで合意し、法案を修正した。(読売)
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少年審判の傍聴を被害者・遺族に認める改正少年法が11日に成立したことを受け、傍聴の必要性を訴えてきた全国犯罪被害者の会あすの会)は同日午後、東京都内で記者会見を行い、「被害者が少年の顔すら見ることができない状態は解消される」と歓迎した。

会見には、1997年の神戸・連続児童殺傷事件で息子の淳君を14歳(当時)の少年に殺害された土師守さん(52)も出席。「自分が悔しい思いをした11年前とは隔世の感がある」と感慨深げに語った。

事件後の少年審判で、土師さんは傍聴を裁判所に申し入れたが許可されず、審判の決定書の閲覧も認められなかった。「家族を守ることができなかったという思いにさいなまれ続けた。審判廷に出席して事実を知ることができれば、遺族の立ち直りへの第一歩になるはず」。そんな思いから傍聴制度を求める運動に加わっただけに、「実現はうれしい」と笑顔を見せた。

一方、日本弁護士連合会の宮崎誠会長は改正法の成立後、「傍聴によって審判の教育的機能が損なわれる恐れは大きい」との声明を出した。また、国会で参考人として法案に反対意見を述べた男性(24)は、「17歳の時に強盗傷害事件を起こしたが、家裁の裁判官が優しく接してくれたことで罪に向き合えた。審判が詰問調にならないよう配慮してほしい」と話した。(読売)