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北海道洞爺湖サミット、首脳宣言で初めて日本人拉致問題に言及、で閉幕。

kaihuuinternet2008-07-09

北海道洞爺湖サミット(主要国首脳会議)は2日目の8日、環境・気候変動、世界経済問題などについて主要8か国(G8)首脳が協議し、各分野に関する首脳宣言を発表した。

焦点の気候変動(地球温暖化)対策では、2050年までに温室効果ガス排出量を半減する長期目標について、「世界全体の目標として共有し、採択を求める」ことを明記した。2020〜30年ごろの中期目標についても、米国を含むG8各国が国別総量目標を設けることを初めて打ち出した。

原油・食料高については「強い懸念」を表明し、G8が協調して対応することで合意した。宣言はまた、北朝鮮拉致問題に初めて直接言及した。

首脳宣言は、温室効果ガス削減に向けた長期目標について、「G8は、50年までに世界全体の排出量の少なくとも50%削減を達成する目標を、すべての国連加盟国(気候変動枠組み条約締約国)と共有し、採択することを求める」とした。

また、「すべての主要排出国による約束または行動の強化が気候変動対策のため不可欠である」とし、中国やインドなどの新興国に対しても、削減に向けた取り組みを求めた。

日本が提唱する産業・分野別にガス削減量を積み上げる「セクター別アプローチ」について、「各国の排出削減目標を達成するうえで、有益な手法」だと評価した。

ガス削減対策で隔たりのあった米国と欧州が歩み寄り、一致した首脳宣言がまとまったことで、今後の京都議定書後をめぐる枠組み作りの交渉にも弾みがつきそうだ。

一方、世界経済の現状については、「成長が緩やかになった」と減速基調にあることを認めたうえで、「不確実性に直面し、下方リスクが存在している」と失速に強い危機感を示した。

原油高対策では、産油国に生産能力の増強を求める一方、消費国には石油依存度を減らすため、代替エネルギーへの転換や、省エネの促進を要請している。

ただ、原油高騰の背景にある投機資金の対策では、商品先物市場の透明性を高める取り組みを奨励したものの、具体的な投機規制には踏み込まなかった。

貿易・投資分野では、農業輸出国の一部が実施している農産物の輸出規制などを念頭に、「保護主義的な圧力に抵抗する」と自由貿易を推進する姿勢を強調した。交渉が大詰めを迎えている世界貿易機関WTO)の新多角的貿易交渉ドーハ・ラウンド)は、「緊急課題」として妥結を図る決意を表明した。

午後の開発・アフリカ支援をめぐる討議では、15年までの貧困撲滅などを目指す国連ミレニアム開発目標達成が困難になっているとして、保健、水、教育分野での支援強化で一致した。

また、中国によるアフリカ援助について、「国際入札を行わず、不透明だ」などとして、複数の首脳が懸念を示した。(2008年7月8日読売)
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8日にまとまった北海道洞爺湖サミットの首脳宣言のうち、北朝鮮に関する部分で、初めて日本人拉致問題が言及された。

宣言では、北朝鮮の核開発をめぐる6か国協議の取り組みを引き続き支持するとした中で、北朝鮮が抱える「未解決の懸案事項」の一つとして具体的に拉致問題を取り上げている。

外務省によると、拉致問題はこれまで、サミットの議長総括などでは言及されたことがあるが、首脳宣言で明記されるのは初めて。

一方、テロ対策に関するG8首脳声明にも「拉致や人質をとることは強く非難されるべきだ」として、拉致問題が初めて言及された。米国の対北朝鮮テロ支援国指定解除の動きが進む中、拉致はテロ行為であると日本が主張したようだ。

また、北朝鮮が6月末に核計画を申告したことについて、G8は首脳宣言で「期限を大幅に過ぎながらも申告したことを歓迎する」と評価した。申告内容については「包括的検証が何よりも重要」だと強調した。(2008年7月9日読売)
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アフリカ支援では、マラリア対策の殺虫効果がある蚊帳、ネリカ米の普及拡大など、日本の製造技術や品種改良の伝播継承が役立つ方向に、米国大統領の要望が重なり、議長国の威信も表明されたでしょう。